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“自習室”まで提供!?スターバックス中国、顧客の心をつかむための新たな挑戦とは
- 2025.08.13
- #トレンド
本日は中国のトレンドに関する情報をお伝えします。
近年、飲食業界では空間価値の見直しが加速しています。中でも最近注目を集めているのが、
中国のスターバックスが華南エリアで拡大展開中の「星子自習室(スターバックス自習室)」です。なんと「飲食なしでOK」、「無料Wi-Fi・電源・飲料水完備」という太っ腹なサービス内容がSNS上で話題に。コーヒーを飲まなくても利用できるこの新たな試みが、今大きな注目を集めています。
☆“星子自習室”とは?
このサービスは、スターバックスの店内の共有テーブルなどをそのまま「自習スペース」として開放するもの。予約や購入は不要で、利用者は自由に入店し、Wi-Fi・電源・飲料水といった基本設備を利用できます。一部店舗では「共有読書コーナー」も設置され、落ち着いた学習空間として人気に火がついています。特に学生や資格試験の受験者からは「家だと集中できない」「図書館は空席がない」といった声に応える形で支持を集めており、クチコミをきっかけに来店する利用者も急増中です。


☆“価格競争”ではなく、“体験”で差別化
近年、中国ではコーヒー業界の価格競争が激化しており、9.9人民元(約200円)の格安コーヒーを展開する競合が増える中、スターバックスは「値下げ」ではなく「場づくり」で勝負。無料の自習空間という付加価値を提供することで、コーヒー以上の「体験」と「居場所」を売りにしています。また、実際に試験導入された店舗では、自習利用から自然に飲み物を注文するケースも多く、客単価の底上げや滞在時間の増加につながっているとのこと。朝の時間帯にはアイスアメリカーノや軽食が人気商品となっており、「自習から購買」への導線ができつつあります。
☆他ブランドも参入 ―“自習室ブーム”の兆し
現在中国国内ではスターバックスに続き、マクドナルド、IKEA、京東MALL(JD.com)
なども続々と「自習室付き店舗」の導入を開始。静かな空間、無料Wi-Fi、電源といった“基本設備”を武器に、学習・作業スペースとしての価値を加え、空間の「多機能化」を図っています。


この動きは単なる一時的な流行ではなく、“物を売る”空間から“過ごしたくなる”空間への進化とも言えます。消費者の「場所」への期待値が高まる中、ブランドがいかにその期待に応えるかが、これからのリアル店舗の鍵となりそうです。
スターバックスの「星子自習室」は、単なる無料スペースの提供にとどまらず、ブランド価値の再定義や、新たな顧客体験の創出につながる興味深い取り組みです。今後も業界全体で「空間をどう活かすか」が大きなテーマとなる中、私たちにとってもヒントになる要素が多くありそうです。
出典:foodaily