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中国の若者がハマる!“果物×野菜コーヒー”がトレンド最前線に?


2025.05.02
#トレンド

中国のトレンド情報をご紹介します。

        

中国では近年、果物や野菜を使用したお茶やドリンクが人気を集める中、コーヒーにも“野菜”を加えた新たなトレンドが注目を集めています。中国の人気ドリンクブランド「古茗(Gu Ming)」、「Tims」、「M Stand」、「爵渴(Jue Ke)」などがケールやトマト、ビーツなどの野菜を取り入れた新商品を次々に展開し、「ヘルシーで軽やか」といった新しい価値観を打ち出しています。

       

古茗(Gu Ming)が3月に発売した「軽体·果蔬美式」は、ケール、レモン、パイナップル、リンゴをブレンドした一杯で、「新しい世界が開けた」と好評。
Timsではトマト風味のアメリカーノ、M Standではビーツのピンク色が印象的なラテ、爵渴(Jue Ke)ではリンゴとニンジンを使用した炭酸コーヒーなど、各ブランドが個性的なアプローチで市場に新風を吹き込んでいます。SNS上では“野菜コーヒー”に挑戦するユーザーが急増しており、REDでは関連投稿が4万件を超え、抖音(中国版TikTok)でも話題となっています。

     

こうした野菜コーヒーが受け入れられている背景には、いくつかの理由があります。
まず、トマトやニンジンといった“なじみのある野菜”と、ケールやビーツといった“スーパーフード系”の野菜をバランスよく使用している点が挙げられます。さらに、レモンやリンゴなどのフルーツと組み合わせることで、野菜特有の青臭さやクセをやわらげ、飲みやすい風味に仕上げている点も支持される理由の一つです。各社とも「味わいの調和」「飲みやすさ」「新しさ」のバランスを重視しており、コーヒーの風味を引き立てる素材選びに工夫を凝らしています。

また、現代の消費者の間で高まる健康志向を背景に、「軽さ」「低カロリー」「ヘルシー」といった要素を前面に打ち出している点も注目されます。Timsでは「1杯約100kcal」と明示し、オフィスワーカーやダイエット層に訴求。古茗も“軽体”というワードを商品名に用いるなど、「コーヒー=健康的なライフスタイルの一部」としての新たなイメージを広げています。

              

このように、果物と野菜を掛け合わせたコーヒーは、健康志向・新しい味わい・差別化という要素を兼ね備えた、次世代のヒット商品の可能性を秘めています。既に一部のスペシャルティコーヒー店では、キュウリのスパークリングコーヒーやシソを使った特製ブレンドなど、独自の挑戦も始まっています。

一方で、安定した原材料の調達や味の再現性、消費者の飲用習慣の形成など、普及には乗り越えるべき課題も多く残されています。「野菜によっては土っぽい風味が出やすく、抽出方法にも工夫が必要。果物も濃すぎると味のバランスが崩れる」と現場の開発者も語っており、いかにしてトレンドから定番商品へと昇華させられるかが今後の鍵となりそうです。
出典:Foodaily